お嬢様の秘密
「私、衣装が違うから変に目立ってない??だから嫌だったのに....。」


「なにがおかしいの?大丈夫!似合ってるから。」


そう言って夏菜は笑った。


私をいつも安心させてくれる。


「ありがとう。安心した。」


っていうか看板に「午前の部限定、クラス一のメイド✩」って私の写真を貼らないで!!


場違いすぎるから!


夏菜を貼ってよ!!


「ねぇ、ユリいいの?高澤くん、取られちゃってるよ?」


「いつもじゃん....。」


「積極的にいけば良いのに....。」


「あはは…。」


私の考えでは葵の部屋に時々行ってるのも積極的のうちに入るんだけどな....。


夏菜たちには葵の部屋に行っていることを言っていない。


小さい頃からの仲のはずなのに...言えなくて。


葵と会うと少し胸が高鳴るんだ。


それが少し恥ずかしい。


「おっとユリ。午後の部と交代まであと少しになったよ!」


「ホントだ!」


あっという間に担当が終わった。




「では担当を交代してください。」


私が裏に行って指示を出した。


「崎元さん、午後はよろしくね。」


「わかりました。」


私、クラスの人と初めて話したかも。


ちなみに崎元さんの家は崎元商事という会社を運営している。


食品業界では上の方の成績だ。


おとなしい子で全然飾らない感じの子。




人がいないところで待っていてくれた葵を見つけた。


「葵、帰ろ?」


私は葵と一緒に寮へ戻った。

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