お嬢様の秘密
「本題入るよ。玲央、あのお嬢様を紹介してくれるんでしょ?」


「するけど....。俺ちゃんとした話し方の方がいいか?」


敬語か.....。


「ここはみんながいるから今の話し方でいいよ。」


「わかった。正直、俺もその方が気が楽で助かる。普段はそうは思わないけど、説明するときとかはな。」


「改まった口調で話されると私も緊張しちゃうわ。」


「でもどうして葵も呼ばれたんだ?奥様…………学園長の意向が読めん。」


なんて言えばいいの?


シルバー様の伝言は秘密なんだよ?


私は葵の方を見て助けを求めた。


「ちょっとな....。」


「ならいいけど。」


玲央は深入りすることをやめたようだ。


「今日はたいした話じゃないし。あのお嬢様は秋本真理亜。アイツのデータは完璧にブロックされてて、探るのは不可能。

ただ分かっているのは、同じ学年。そして、学園の歴史に残るほどのヤツ。」


葵が話始めた。


「この学園には権力者が時々存在する。アイツは小2,3でその座に登り詰めた。」


なにそれ。


異常でしょ。


「でも、最近学校に姿を見せなくなった。噂では留学したとか、転校したとかあったがまだ....。」


葵が口を濁した。


「玲央と高澤くんに聞くけど....。権力者ってどうやって決めるの?」


「それが俺にもわかんねぇーんだよ。」


「お前も知らないの?」


「葵も知らねぇーんだ。兄貴は?」


「知ってるけど言えない。」
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