保身に走れ!
【穂ノ香元気で
良かった(∂∀∂)
亜莉紗心配したょ〜
船場マジ意味不ぢゃん】
わざわざ心配したと打ち、貴方に自分が親身になってますとアピールをしてくる人は、
相手をさほど気にかけていやしない色が強いはずだ。
中学生、高校生、なぜ少年少女たちは親友だよねと友情を押し付け、仲を確認をしたがるのだろうか。
しかし、穂ノ香は穂ノ香なのでそんな疑問を持たずに、業務連絡以外でも誰かによって携帯電話が鳴る自分に安堵していた。
それ故に、小さな機械に登録されている人数の多さと、着信が入る頻度が、
彼女たちの生きる教室では友達が沢山いる一番の証だったのだけれど、
隣のクラスの場合、誕生日の0時におめでとうメールを大量受信するのではなく、
翌日黒板にデカデカと『ハッピーバースデー』と、悪意あるデフォルメの似顔絵がチョークで宣伝される人物こそが、
立派な青春勝者であるも、その差を穂ノ香は正しく消化できていやしなかった。
ほんと船場さんウザイ
なんであんな奴に
私が文句言われなきゃなの
本当ありえない
沸々と蘇る怒りに任せ、亜莉紗のメールをスクロールすれば、信じられない言葉が並んでいた。
、……
……え?、
心臓が跳ねた。
嫌な汗が耳の後ろで溢れた。
【てか船場ブーって
この前デキ婚に
告ったらしぃョ
ゥヶるくなぃ?(・Å・)】
命の次に重要な携帯電話が、シーツの上に転がっていた。