保身に走れ!
今はどんな髪でも似合っていればオシャレとされているが、
昔は流行りに乗っかることでセンスが良いと思われていた。
当時、男子はというと髪型を左右別にするアシメが主流、皆が似たようなヘアスタイルだったと後に配布される卒業アルバムを見れば分かることだった。
その前はやたらツンツン立たせたりウルフカットが流行っていたような――正確な情報など異性に馴染めなかった穂ノ香だから、
当時はそういうことに疎かった。
むしろ揃いも揃ってそっくりなまね事は馬鹿みたいだと、どこか見下していたのかもしれない。
それは女子にも言えることで、昔は巻き髪イコール綺麗なお姉様というイメージだったのだが、
時が経つと安易に巻いちゃったんだ的な印象に変わる価値観の不思議。
いつかの未来、クラスメートたちはどんな髪型をしているのだろう。
中学時代は冴えないとレッテルを貼られた穂ノ香でも、卒業してからメイクやヘアアレンジを覚え、自然と花が開くかもしれないのだし、
そうなると、やはり久しぶりの再会に幼い恋心が疼くこともあるのだろうか。