【5】隣人の森
 ぽたぽたと、唇が濡れるのを感じた。

 朝であった。

 私は目の前に蔦が伸びている事に気付いた。そして、蔦を伝って、口元まで水滴が運ばれている。

 私の喉は潤った。
 偶然にも蔦が口元に伸びてくれて、喉の渇きを癒すことになったのだ。

 これは、幸運と呼べるものなのであろうか。
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