【5】隣人の森
 その日、私は我慢できず、そのままの姿勢で排泄を行った。予期していたことであるが、残念で心の整理が最後まで着かなかった。

 今日も誰かが助けに来てくれる様子はなかった。体を締め付けている蔦は、昨夜のうちに幾重にもなっていた。もがくことも出来ず、体は完全に動けなくなった。

 私は長期戦になることを覚悟した。
 しかし、空腹感が強まると、意識が朦朧となった。このまま、人の寄り付かない森の奥で、餓死してしまうのであろうか。
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