Rain 2
(ガシャ…)


屋上のフェンスに手をかけた。



ここを越えたら楽になれる…



きっともう何も考えなくてもいいよね…





あたしはそう思いながらフェンスをよじ登って越えた。




冷たい雨ときつい風。


まだうす暗い空…





『ごめんな…』


あたしはポツっとつぶやいていた。


涙は雨で流されていく。


雨の中で泣いてるとラクだった。




泣いてるのか雨で濡れてるのか分からなくなってくるから…。





ごめんな…って…あたし誰に言ってるんだろ…




分かってた。



だって…


京子やりぃや陸の顔が浮かんでたから。
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