Rain 2
『大丈夫?落ち着いた?』


あたしが黙っていると千春さんがそう聞いてきた。



『あたしね…とことん人生ついてないみたい』



ちょっと笑った。


なんか悲しさとおり越してバカらしく思った。


何のために生まれてきたのか、分からなくなってた。






『あんな、あたしのお父さんは二人の女を同時に好きになってん…それで生まれたのがあたしとあの子…』



あたしは千春さんに静かに話し始めた。



あたしの過去から今までのこと全てを。



お母さんとお父さんの離婚やお父さんの再婚の話、お母さんの死で香織と出会って聖夜とのことで再会したことも全部。




そして──


ついこの前の、子供ができた時の話しも…




千春さんは黙ってうなずきながら聞いてくれていた。



友達以外の人に、こんな話をしたのは初めてだった。
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