Rain 2
『ほんま…見る目ないんやろうな…あたし』



話し終えたあたしがつぶやいた。



『でもこれで見る目ついたかもしれないやんか』


『えっ?』


『男なんてあほやから自分のことしか考えてないやん?すぐ気持ちコロコロ変わるし平気で嘘つく。そのくせ嫌われたくないから変に優しさ捨てへんやろ?私ら女はそんなあほな男のために自分を犠牲にしたり気持ち押し殺したり。結局泣くのは女のほうやのに…最悪やんね。でも見る目ついたと思えば少しは勉強になったんじゃないかな?』



人生勉強…か。



『う…ん』



そうは答えたものの、まだその時のあたしは安易にそういう風には思えなかった。






『あとね、これは私の考えやから知香ちゃんはどう思うかは分からないけど…』


『なに?』


『あの…階段から突き落とされたって言ってたやろ?石井先生の奥さんに』


『うん…』




思い出したくない出来事が頭の中に蘇る。



あの時から全てが狂ったんだ…
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