Rain 2
失われた記憶
気付けばあたしはまた勝手に病室を飛び出していた。
聖夜のいたICUの前に行くと、手術中の赤いランプは消えていた。
勝手にドアを開けて中に入ると、ガラス張りになった壁があって奥までは入れなかった。
ガラスの壁の向こうには目を閉じたままの聖夜の姿があった。
死んでないやんな…?
『あのー、勝手に無断で入ってこられたらだめなんですけど』
あたしに気付いた看護婦さんにそう言われた。
あたしはその言葉を無視してガラス越しに聖夜を見ていた。
何故だか分からないけど涙がでた。
息してる…
酸素マスクが曇っているのを見てほっとした。
でも、頭にも腕にも包帯が巻かれていて、片足はギブスで固定されている。
『知香…』
後ろからそう声がして振り返ると、そこにはお父さんがいた。
『なぁ…聖夜大丈夫なん?大丈夫やんな?息してるし大丈夫やろ?』
あたしは必死で聞いた。
あたしの体を壊したお父さんに…
聖夜のいたICUの前に行くと、手術中の赤いランプは消えていた。
勝手にドアを開けて中に入ると、ガラス張りになった壁があって奥までは入れなかった。
ガラスの壁の向こうには目を閉じたままの聖夜の姿があった。
死んでないやんな…?
『あのー、勝手に無断で入ってこられたらだめなんですけど』
あたしに気付いた看護婦さんにそう言われた。
あたしはその言葉を無視してガラス越しに聖夜を見ていた。
何故だか分からないけど涙がでた。
息してる…
酸素マスクが曇っているのを見てほっとした。
でも、頭にも腕にも包帯が巻かれていて、片足はギブスで固定されている。
『知香…』
後ろからそう声がして振り返ると、そこにはお父さんがいた。
『なぁ…聖夜大丈夫なん?大丈夫やんな?息してるし大丈夫やろ?』
あたしは必死で聞いた。
あたしの体を壊したお父さんに…