Rain 2
『あの…隣の女の子誰ですか?』



あたしは一瞬耳を疑った。




な…に…?



聖夜はお父さんにそう聞いていた。






『知香が分からんのか?』


『知香?さんってゆうんですか?』




あたしを見て…聖夜はそう言った。




な…に…?


怖かった。


体中が震えた気がした。




『聖夜くん…じゃあ香織は?香織のことは覚えてるか?君と前に付き合ってた』


『香織ですか?覚えてるも何も…彼女ですから』




何かが…おかしかった。




『悪い知香。ちょっとだけ席外してもらえるか?もしかすると記憶の一部が欠けてしまってるかもしれん。確認しときたいんや。後で知香の病室行くから少し待っててくれ』


『分かった……』



お父さんに小さな声でそう言われ、あたしは仕方なく自分の病室に戻った。
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