Rain 2
妙な心臓の音が、体中に響いていた。



『彼女ですから』



って…

聖夜があんなこと言う?




ましてあたしの目の前で。




だいたいあたしのこと知香さんとかさん付けしてたし…



一体なんなん?





あたしが一人で混乱していると、やっとお父さんが来てくれた。




でも…予想をはるかに越える話をお父さんはあたしに話し始めた。





『まだはっきりとは分からんのやけど…記憶が失われてる』


『記憶喪失ってこと?でもお父さんのこと分かってたやん。あの子のことも…』


『そうなんやけど…なぜか知香のことだけが分かってないみたいなんや。記憶からすっぽり消えてしまってる』






消えて…る?



あたしが…?
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