Rain 2
『何で?何であたしだけなん?おかしいやんか!』


『お父さんにも分からんねん。でもこういうケースはまれにあることなんや。少しずつ記憶が回復することもあれば…そうじゃない時もある』


『そうじゃない時って?なに?もう戻らんってこと?』


『…そうゆう時もある』




あたしは力が抜けた。



聖夜にとってあたしの存在自体がなくなったん?



出会った時のことも風邪の看病してくれたことも海遊館のことも…

全部なくなったってこと?




赤ちゃんができて喜んでくれたことも全部…

聖夜の頭の中からは消えてしまったん?





そんなことって…




記憶にさえ残らない、あたしは聖夜の思い出にさえもなれないの?




あたし…


聖夜にとってそんなにちっぽけな存在やったんかな…
< 135 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop