Rain 2
『俺と…どうかしたんですか?なんか事故った時に頭打ったみたいで直前のこととかもよく覚えてなくて…。親は青森に住んでるから雪で飛行機飛ばんかったらしくて明日こっちに来るみたいなんですけど』


『そう…ですか。じゃあ安心ですね…』



こぼれそうになる涙を必死でふいた。



出てきそうになる言葉も…我慢した。



あたしは聖夜から見たら一体誰なん?



見ず知らずの他人?



あたしがそう思った時、聖夜に言われた。






『香織の友達ですか?』



あたしは少し黙ったあと、小さい声で

『はい…』

と答えた。




そう言うしかなかった。



だって聖夜からしてみればあたしは全く知らない人間なわけだから。



何で病室にいるのか、疑問に思われるのも嫌だったし、そう答えた。
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