Rain 2
『で…体大丈夫なん?聖夜くん命に別状ないん?』


『うん…足も骨折してるけど命は全然大丈夫と思う。でも…記憶が…あたしのことだけが分からんって。なんかあたしだけが聖夜の頭の中から消えてしまってるねんて』


『はぁ?なにそれ…』


『ほんまやわ…ありえへんやろそんなん。何で知香のことだけが分からんの?』


『あたしにも分からん…でも今の聖夜の頭の中はあたしと出会う前の聖夜のままやねん。だからあの子…香織が彼女やと思ってんねん』


『ちょっと…ほんまなん?聖夜くんおかしすぎるやん。あんだけ知香のこと傷つけといてこんなんって…』



京子やりぃがそう言うのも無理はなかった。



ボロボロになっていってたあたしを見てた二人にとって、

《記憶喪失》…そんなこと許されるはずがなかった。
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