Rain 2
『何ですか?もう寝てました…爆睡してたのに』


あたしは布団をかぶったまま無愛想な声でそう言った。



『知香ちゃんさっき泣いてたやろ?私気になって石井さんの病室見に行ってきた。ねぇ…色々あるけど私で良かっら話ぐらいは聞くよ?あんまり一人で何でも抱え込まんとき』


『看護婦さん…名前なんてゆうん?』


『え?森崎千春やけど…どうかしたの?』



チハル…?



『お母さんと同じ名前や。字どうやって書くん?』


『一十百千の千に春夏秋冬の春やで。分かりやすいやろ(笑)』




懐かしい気がした。


あたしのお母さんもよくそんな例え方をしていたから。




『もう最悪やわ。泣いてたらあほらしくなってきた。笑えるわ…ほんま』


あたしがそう言いながらかぶっていた布団から顔を出すと千春さんと目が合って二人で笑ってしまった。




あたしは不思議と気持ちが軽くなって落ち着いていた。
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