Rain 2
(コンコン…)


たった二回のノックにどれだけ時間がかかったんだろう。


やっと扉をノックできた時には随分時間がたっていたように思う。





『どうぞー』


聞き慣れた聖夜の声が病室内から聞こえた。



あたしは黙って聖夜の病室の扉を開けると、ゆっくりと中へ入った。





『あっ!知香ちゃんやったかな?どうしたん?あ…香織なんかあった?大丈夫?』



聖夜の言葉一つ一つが痛かった。


心はもうボロボロだった。




『いえ…あの…ちょっといいですか?話したいことがあって』



あたしは落ち着いてた。


自分でも怖いくらい冷静だった。



でも願ってた…。



神様、一度だけでいいから。あたしを…あたし達を助けて下さい。



そう願ってた。
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