Rain 2
『聖夜はあたしのこと知香って呼んでた…よ。覚えてないかもしれんけどあたしは聖夜の彼女やってんで。一緒に海遊館行ったりしたこと覚えてない?』



あたしがそう聞くと、聖夜は黙って首を横に振った。


変なやつだとでも思ってたんだろう。





『じゃあこれは?このストラップ』


あたしはそう言って聖夜に買ってもらったイルカの携帯ストラップを聖夜に見せた。



『あ…それ…俺の携帯についてたストラップと同じや…』



聖夜はそう言って、チェストの引き出しから携帯を取り出した。


でも、聖夜の携帯は画面が割れていてどう見ても壊れていた。




でも、あたしと同じあの海遊館で買ったイルカのストラップが付いてあった。



たったそれだけのことなのに、あたしは幸せな気持ちになった…
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