Rain 2
『知香ちゃん?何がもういいん?』




あたしを知香じゃなく知香ちゃんって呼ぶ声。


少し気を使った話し方。


時々見せる悲しそうな困った顔…





もうあたしの見てきた…


知ってる聖夜じゃない。






『ずっと困らせてごめんね。ずっと…苦しめてごめ…な……もうあたし…大丈夫やから…』




言葉がうまく出てこない。




言いたいことはいっぱいあった。



聖夜に伝えたいことがいっぱい…。



でもそれを口にしてしまえばあたしはまた聖夜を苦しめることになる。





もうそんな自分が嫌で情けなかった。






『人は生まれてから死ぬまでの間に数えきれへん人と出会うやん?』




泣いているあたしを見ながら、聖夜が静かに話し出した。
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