Rain 2
『もう疲れたわ…復讐も飽きたしな。もうあんたらと関わる気もないし心配せんといて』



あたしがそう言って病室を出ようとした時、聖夜が言った。




『本心じゃないんやろ?分かんねん…知香ちゃんはそんな子じゃないって…俺は分かってるから』



あたしは何も答えず聖夜の病室を出た。







泣いていたせいか自分の病室に戻るまでの記憶があたしにはなかった。



「本心じゃないんやろ?」


聖夜の言葉を思い出すと涙が止まらなかった。




聖夜を突き放すことで聖夜は幸せになれるんや…



そう思ったらあんな言葉しか出てこなかった。
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