Rain 2
『あ…あの』



あたしは黙ってることができなくて二人のところまで行ってしまった。



『知香ちゃ…』



千春さんと聖夜はびっくりした顔をしていた。



『ごめん…話し声が聞こえたから立ち聞きしてしまった。あんな…ほんまにもうあたし大丈夫やから。だからもうやめへん?こんなんみんながしんどいだけやん…』



『でも…俺のせ…』



『いいから!もうほんまにやめよう』




聖夜が何かを言いそうだったけど、あたしはそれを無視して大きな声で言った。


《やめよう》
ってゆうのは本心だった。


しんどかった…もう。







『聖夜…あたしは大丈夫やから。慣れてんねんこんなん。だからもうほんまにいいから。千春さんも…もう心配しなくて大丈夫やで。立ち直り早いからあたし』




精一杯笑って言った。


千春さんは黙ってうなづいた後、あたしの肩をぽんと叩いて歩いて行った。
< 188 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop