Rain 2
患者さんの病気を治すために最大限のサポートをしている。



それでも…

生きたい、もっと生きていたいって思っている人が亡くなっていく最後の姿さえも見届けなくてはならない。



考えてみれば病院ってすごいところなんだろうなと思った。






千春さんは、あたしにこんな話をしてくれた。



千春さんがホストにはまってた頃、ちょうど受け持っていた担当の患者さんがいた。


72歳のおじいちゃんだった。


そのおじいちゃんは肺癌の末期患者だった。




おじいちゃんには息子と娘が一人ずついたけど、おじいちゃんの入院中にお見舞いに来たのは片手で数えるくらいしかなかった。


それでもおじいちゃんは毎日のようにいつもその息子や娘、その孫達の話をしてきていた。




『明日は見舞いに来るかもしれんから花の水を変えててくれませんか?綺麗に咲いてる方が綺麗やろ?』


毎日のように…そう言っていた。




でも、いつまでたっても息子も娘も孫達もお見舞いには来なかった。
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