Ｒａｉｎ ２
おじいちゃんは一年近く病院に入院していたけど、入院した時よりも日に日に痩せていってるのが分かるほどになっていた。


少しずつ死期が迫っていることは先生も看護婦も周りの患者さんも誰もが感じていた。




それでもおじいちゃんは

『退院したら孫と釣りに行くんや』
『息子は酒が強いからまた一緒に飲みに行きたいなぁ』

と千春さんに話していた。






でも千春さんは、当時例のホストにはまっている頃で、そんなおじいちゃんの話はまるで聞いていなかった。


それよりも自分のことで頭がいっぱいだった。




でもおじいちゃんは担当看護婦の千春さんと毎日朝昼晩は顔を合わせる。

だからいつも千春さんに話しかけてきていた。




その時千春さんは、うっとうしいなぁと思っていた。


ホストに通っていた頃は睡眠時間もあんまりなかったみたいで、寝不足と仕事とおじいちゃんのそんな話で毎日疲れていた。




そんなある日、千春さんはいつものようにおじいちゃんに話しかけられた。
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