Rain 2
『花の水を変えてくれませんか?明日見舞いに来るかもしれんから』


いつものように…そう言われた。


でも何故かイライラした。



千春さんはその頃、ホストに騙されてるんじゃないかと気付いた頃だった。


そして行き場のない苛立ちは、おじいちゃんへと向けられてしまった。







『来るわけないでしょ?いつも毎日そう言ってて来ないじゃないですか。水かえるだけでも手間かかるんですから。それに勤務中なんですからあまり話しかけないで下さい』


千春さんはカァーッとなっておじいちゃんにそう言ってしまっていた。




『すまんねぇ…』


おじいちゃんは悲しそうな顔でそう言った。



千春さんは我に返ってハッとした。


プライベートのイライラやストレスをおじいちゃんに当ててしまった…。


自分を情けなく感じた瞬間だった。
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