Rain 2
次の日から、おじいちゃんは千春さんに話しかけなくなった。


息子達の話もしなくなり、『水をかえて』とも言わなくなった。



すると不思議なことにおじいちゃんの病状もどんどん悪くなっていった。





“末期癌”。



分かっていたことだけど、苦痛にゆがむおじいちゃんの顔は見ていて可哀想だった。






そして…


千春さんと口を聞かなくなってから六日後に、おじいちゃんは亡くなった。



末期癌だったのにずっと元気だったおじいちゃん。


それが急に病状が悪化して弱っていった。





『なんでやと思う?』


あたしは千春さんに聞かれた。


でも、あたしにはなぜなのか分からなかった。
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