Rain 2
おじいちゃんが亡くなった後、体を拭いてあげたりするのも担当看護婦の仕事だった。



痩せ細った体に痛々しい注射の痕。


72歳のおじいちゃんの体は、もう限界にボロボロだったのだ。




そんな時に、息子や娘達が病院へと駆けつけてきた。






『お父さん…』


そう言って泣く娘。
涙は流れていなかった。



そして黙ったまま突っ立っている息子と高校生くらいの孫達。


千春さんはこれが血を分けた肉親なのかと驚いた。



患者と看護婦という血の繋がりもない立場の自分が涙をこらえているのに…
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