Rain 2
『あたしが病気やったらよかった…』


『えっ?』



聖夜は聞こえてなかった。




『あたしが病気やったらよかったのに』


『何ゆうてんねん』


『そしたら聖夜はあたしのこと心配してくれたやろ?あたしだけ見てくれたやろ?あたしだけ…』


『もういい加減にしろや!なんやねんお前は…』



あたしが…怒鳴られる筋合いなんてない────




『なんなん?いい加減にするのはどっち?あたしは聖夜のなんなん?彼女やろ?なんで?なんで嘘ついたり影でコソコソ会いに行ってんのよ!』


『ちゃっ…ちゃうって…。それは…違うから』


『何が違うん?あたしは精神的におかしいんやろ?嘘つきなんやろ?突き落とされたのも全部錯覚で作り話なんやろ!』


『なんで…知香お前…聞いてたんか?』



聖夜の顔が一瞬で曇った。


自分が壊れていくのがリアルに分かる…。
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