Rain 2
第9章

ガラスの向こう

『知香?』



ん…?
目を覚ますともう昼過ぎになっていた。




『2時からちょっと時間いいか?明日の手術の説明と香織と顔を合わしてもらいんたいんやけど』


お父さんは寝起きのあたしにそう言った。


手術…
そっか…
あたし骨髄移植の手術をするんだよね…。




『分かった…』


そう答えて鏡を見た。


うーわっ…顔…最悪。



泣き過ぎたせいで目は腫れてるし、目の回りは赤くなっていた。




『じゃあ2時に迎えに来るから一緒に隣の病棟まで行こう。また後でな』

『分かったぁ…』



あたしはそう答えて窓の外を見た。


今日は綺麗に晴れてる。


(よかった…)



あたしの気持ちは天気で左右されたりする。


雨だとなんとなく浮かなくて嫌だった。

今までずっと…
嫌なことばかりあったから。
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