Rain 2
痛っ…

なんとなくまたおなかが痛くなった。



でも我慢できる痛さ。

元々おなかが冷えやすい体質だったし、あまり気にはしなかった。




『どうした?』


お父さんがあたしの顔色を見てそう聞いてきた。


『あ…ちょっとおなか痛いだけ。大丈夫やで』


『そうか。ならいいんや。無理せんと何でも言えよ。ここは病院なんやから』


『うん…』



あたしとお父さんはそうやって話しながら隣の病棟まで歩いた。


でも、あの子の病室に近づくにつれてあたしは口数が減っていった。





どうしても思い出してしまう…

聖夜とあの子が話していた時のこと。

あたしが立ち聞きした時のことを。



あたしは…何のために今、ここにいるんだろう。



あの子のため?

お父さんのため?

聖夜のため?


自分のためではないやん…
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