Rain 2
『寝たままでいいからな。そのままで。あ、知香、こっちに来てここに座ってくれるか』


ベッドの隣にはお父さんが座ってて、その横にはあたし用の椅子があった。


あたしは黙ったままとりあえず椅子に座った。




『香織、知香や。分かるやろ?』


お父さんがそう言うと香織は小さくうなずいた。



『知香がお前を助けてくれる。だから大丈夫やからな』


それを聞いた香織はあたしのほうを見た。



『な…で香織に骨髄移植してくれるん…?』


弱々しい声でそう聞かれた。




本人も疑問に思ったのだろう。


何であたしが?って。



小さい頃からお互いをいがみ合ってた存在のあたし達なのに…



『あたし…別にあんたのためにするわけちゃうで。人として…やるだけやから』


あたしはそう答えた。




だって本当にそうだった。


人として人を助けることができるなら…ってそう思った。



千春さんのおかげで…
そう思えるようになれた。
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