Rain 2
『でな、聖夜と付き合ってからも色々あってんけど…聖夜はあたしとあの子の間で揺れてたみたいやねん。でも聖夜はやっとあたしのことだけ見てくれた。あの子とも切ってくれてん』


『ほんならよかったんちゃうん?』


『でも…そんな時にあの子が…病気…白血病になってんやん』


『香織ちゃんが?』



陸は少し声が大きくなり、驚いた顔であたしを見た。



『うん…それであたしさぁ、お父さんにずっと頼まれてん。骨髄の型が合うかもしれんから検査受けてくれって。でもな、あたしはやっぱり許されへんかった。だから検査は絶対受けへんかってん。でも…そしたら聖夜に怒鳴られたことあってさ』


『あいつに!?』


陸はまたビックリしていた。


『うん、だからあたし迷っててん。検査受けようかどうか。でもそんな時に妊娠してたことが分かったんやん…』


『うん…』


『だから体に支障あるとあかんし検査は受けられへんかった…。あたしは産むつもりやったから。でもあたし始めから聖夜には期待してなかった。だけど聖夜…産んで幸せになろ…って…言っ…くれて…』




思い出したら涙が出てきた。


悲しさと悔しさで…
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