Rain 2
『ちょ!泣くなって』



陸はオドオドしていた。

もちろんあたしが泣いたのを見ること自体初めてだったと思う。




『それや…のに…ぅっ…階段から…き落とされ…』


『ちょ…どうゆうことやねん!誰にやねん!泣いてたら分からんやろが』


『お父さん…が…再婚した人…っ…でも聖夜は…陸にあたしが自分で階段から落ちたってゆ…たんや…ろ?』


『…』




陸は…何も言わなかった。





『笑いいや。あほやなぁって笑ってや…もう嫌や…もうしんどい…』


『!!』



その時急に陸に肩を抱かれた。



陸はベンチに座ったままあたしの頭を優しくなでてくれた。



『泣け泣け、泣いたらいいねん。お前はいい女や。俺が保証したる。絶対お前は幸せになれるから。だから心配すんな!』


『ぅ…っ…ーっ』





張りつめていた線が切れてしまったかのようだった。


もう…泣きやめなかった。
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