Rain 2
『お前には友達もおるやんけ。一人ちゃうやろ?俺も京子らもおる。お前のおばちゃんも天国でちゃんと見てくれてる。聖夜だって絶対お前のこと幸せにしてくれるわ。結婚すんねやろ?』



陸の言葉に、胸が苦しくなった。



『聖夜は…あの子をほっとかれへん…。だってあたしに隠れて夜中に会いに行っててんで?結婚するんやろってあの子に聞かれてお前がこんな状態やから分からんって答えてんで…』


『それはあいつなりの思いやりかもしれんやん。香織ちゃんの体調面とか気にして言ったかもやんけ』


『違う…絶対気持ちが残ってんねん。手術終わってあの子が元気なったらあたしなんかいらんねん…聖夜もお父さんもみんなあたしに求めてんのは型の一致した骨髄だけや…』


『は?お前…骨髄一致したん…。ほ!ほんなら移植なんかせんかったらええやんけ』



陸は初めて見るような真面目な顔で横からあたしをジッと見ていた。



『…』



あたしは…
何も言えなかった。
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