Rain 2
何回もそれは考えた。


あの子が死ねば全部丸くおさまるんだって。




お父さんはたった一人になった娘のあたしを愛してくれる。


聖夜も…
あたしだけを見てくれる。





『自分の幸せ手に入れようとして何が悪いねん。遠藤はずって一人で我慢してきたんやろ?』


『分からんねん…自分でもどうしたらいいんか。あたしが手術を断れば…あたしは幸せになれるかもしれんで?でも…殺してしまうようなもんやろ…そんなん』



あたしの言葉を聞いて陸は黙った。



『京子にもな…お見舞い来てくれた時にあたしがその話してんけど…京子は怒って帰ってしまった。それから電話もメールもない…ねん』


『そら京子はお前のことずっと見てきてたからやろ…お前のこと想う友達なら当たり前やわ…』





あたしは──

大切な友達さえも失うことになんの?
< 60 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop