Rain 2
『そうやね…ごめんね変なこと言っちゃって。また…明日ね。今日はゆっくり休んで明日の手術頑張ろ』


『うん…分かった。お疲れ様です』





千春さんが出て行った後、あたしは一人でずっと天上を見てた。




また…涙が出てきたからだった。




高校に行ってた頃から、あたしは夜になるといつも仰向けに寝ながら天上を見て泣いていた。



そうするとあんまり次の日目が腫れないからだった。




頬から流れていく涙は、あたしの苦しい気持ちの代わり。



でもいくら泣いたって…何も変わらない。





お母さん…もしお母さんならどうする?



手術する?断る?


心の中で問いかけた。



でも聞かなくても分かる。




お母さんなら…

間違いなく手術受けるだろうね。


どうしようもないくらいお人好しやもん。





傷つけられたお父さんのことも一回も悪く言ったことなかったね。
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