Ｒａｉｎ ２
第10章

痛む体

静かに手術室に運ばれた。



結局あたしは手術前に聖夜と会えなかった。




ゆっくり周りを見渡すと、隣に寝ているあの子を見つけた。



もう目をつぶっていた。



ちょっとあたしは緊張してた。






出頭医は、お父さんと笠井先生って人だった。



(痛っ…)

そんな時、あたしの下腹部がやけにズキズキ痛んだ。




我慢しようと思ったものの、手術室に入ってきたお父さんを見てあたしはとりあえず言った。



『お父さん…ちょっとおなか痛いねんけど…』


『あ…朝から知香何も食べてないからなぁ…。ごめんな。手術終わるまで我慢できるか？』





あ、そうか。

あたしご飯食べてないからか…。


単純なあたしはその言葉を聞いて納得してうなずいた。




でも、笠井先生がその会話を聞いていたのかあたしのところに来て聞いた。



『知香ちゃんおなかってどのへんが痛いの？だいたいでいいから場所分かるとこ手でおさえてみてくれる？』


『あ…はい』



あたしは言われたとおり下腹部の真ん中下あたりをおさえて見せた。
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