Rain 2
『本当は言っちゃだめやねんで、でも知香ちゃん言っても納得してくれへんしね…。あのね、流産あったでしょ?』


『うん』



あたしはゴクッと息をのんだ。



『それで子宮内に赤ちゃんの残骸がちょっと残ってたみたいなんだけど、その残骸が子宮内と卵管ってところに炎症をおこしたみたいなんよ』





話を聞いていくうちに深刻そうだってことが分かった。



その残骸が炎症を起こして、意識を失うほどの痛みにつながったのだ。




だからあんなにありえないくらいの痛さだったんだと理解できた。



でも何でそんなことになったんだろう。






『知香ちゃん骨髄の検査受けた日、本当は婦人科の検査もあったみたいなんやけど…。知香ちゃんのお父さんが時間重なってるから後日にしますって言ったみたいで…』


『えっ…』




あたしは意味が分からなかった。



それって…


お父さんはあたしの流産した後の検査よりも骨髄の検査を優先させたってこと?


あたしのことよりも…

あの子の体のほうが大事やったってこと?
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