神様の靴音
見境の無い恋
ガラッ
「おぉ、真帆!早いな!」
明日の朝、コウの病室に行くと約束して昨日は別れた。
真帆はもちろん興奮して、結局眠れなかったのだ。
「ゆっくり眠れた?」
「う、ううん‥」
緊張して、なんだか上手く話せない。
「なんで?俺なんかさー、昨日すっげー怖い夢見たんだけど!俺がハゲる夢。」
「そ、そうなんだ‥」
「………テレビ、観る?」
「えっ、うん‥」
コウは、少し困った顔をしながらチャンネルを替えた。
そんな彼を見て、真帆はひどく困惑した。
上手く会話が出来なかったことを、とても後悔しているのだ。
一緒にいても楽しくないと思われてしまっただろうか、嫌われてしまったのではないだろうか、そんなことばかりをぐるぐるぐるぐる考えていた。