神様の靴音


涙を拭うことにも疲れ、真帆はそのまま眠りについた。





見慣れた病室、目の前に男の子が座っている。


男の子はあたしの手を握って、真っ直ぐな瞳であたしを見ていた。



『真帆、俺は神様じゃないから、真帆のことは救ってあげられない。
でも、一緒に生きることは出来るから。命ある限り、傍にいるよ。』


そう言ってニッコリ笑う彼を、ひどく愛しいと感じた。


夢の中で、あたしは泣いていた。


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