神様の靴音
母親が病室に来る度、真帆は真っ先に「分かった!?」と訊くようになった。
ずっとそわそわしている。
母親が来るのを待ちわびるようになった。
妄想は膨らむばかり。
数日後。
「真っ帆ー♪
分かったよ、男の子の病室!」
ヒヒヒ、といたずらな笑みを浮かべながら母親がやって来た。
「ホント!?」
真帆はベッドから飛び起き、目を大きく開いて母親を見た。
「隣の病室だった!」
アハッと笑って、母親は言った。