神様の靴音
「彼、いつも夕方の6時になると、娯楽室でテレビを観ているそうよ。真帆も行ってみたら?」
母親の言葉を受け、ドキン、ドキン、心臓が音を立てるのが聞こえた。
「これ、プレゼント。」
しばらくぼぅっとする真帆を見ていた母親は、不意に鞄の中から袋を取り出した。
大きめの袋と、小さな袋。
「…開けていい?」
おずおずと訊く真帆に、母親はニッコリと笑顔で答えた。
嬉しさで微かに震える手で袋を開けると、そこには紺色に赤いボタンのついた、可愛いポンチョが入っていた。
「可愛い‥!!」
「彼に会うとき、パジャマだけだと恥ずかしいでしょ?」
「ありがとうお母さん!」
もっと喜ぶ顔が見たくて、母親は小さな袋も早く開けるよう急かした。
カサカサと、小さな袋を開ける。
出てきたのは、手の平サイズのピンク色の箱だった。