輪廻恋愛
「う~み。佐原たちとなに話してるの?」
佐原とは優人の名字だがほとんどのクラスメイトは優人と呼ぶためほとんど聞かないのである。
明るい声がした方向を優人達は見ると、
その人物は憂美に後ろから抱きついた。
「もぉ。やめてよ、ゆなぁ」
「いいじゃん、今日くらい」
「今日くらいって、いっっつも抱きついてくるし」
「違うよぉ。今日のは、特別だよ」
「なにそれぇ」
憂美が話している彼女の名前は松原優奈(まつばらゆな)。
背は憂美と同じくらい。
髪は少し茶色い。
そのためか、よく初対面の人には「染めているのか」と言われる。
憂美と優奈がこんなにも仲がいいのには理由がある。
中学校に入りたてのころ、優奈は茶色の髪だったことから先輩に目をつけられていた。
ある日、優奈が先輩に呼ばれ校舎の裏で、ぼこぼこにされていたときに
通りかかった憂美が優奈を助けたのがきっかけである。
もちろん、憂美もぼこぼこにされたらしい。
今では、憂美と優奈は親友である。