輪廻恋愛



「相変わらずテンションだけは高いな、お前は。今日は卒業式なんだぞ?絶対泣かないタイプだろ?」


「なんで、卒業式で泣かなきゃいけないの?」


「いや、なんて言うか女子はこういうイベントがあれば泣くもんじゃないのか?」


「ちがうよぉ。何にもわかってない。これだから杉原は……」



話している途中で憂美が慌てた様子で優奈の口を塞ぐ。


「もぉ、優奈!口を滑らさないでよね」


優人と恭介には聞こえないように優奈に告げ口をする。


「ごめんね憂美。この通り」


優奈は憂美の前で手を合わせて謝る。


「今度、滑らせたら怒るからね」


と言って憂美は優奈の鼻を人差し指で押さえた。



「俺がどうしたんだよ」



二人の会話の様子を見ていた恭介は待ちきれず優奈に聞く。


「なんでもない、なんでもない。いやぁ、今日はいい天気だよねえ」


「『雨だけど?』」


優人と恭介は同じ反応をした。


「うわぁ息ぴったし。もしかして双子の兄弟とか?」


「『それはない』」


「『真似するなよ、お前!』」


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