輪廻恋愛
「だよねえ。お馬鹿な杉原に聞いたのが間違いだったよぉ」
「だから、馬鹿って───」
いつもの台詞を言っている最中に、優人の声と車の急ブレーキの音が重なる。
優人の家の近くには、見渡しの悪い丁字路がある。
毎年、事故が頻繁に起こっているのにカーブミラーも電灯も設置されていない。
優人の心の中で嫌な予感がした。
───このタイミング……もしかして!!
優人は、話中のまま携帯電話を放り出した。
「きゃあああああ!!」
誰かの悲鳴と優人が部屋を出るのは同時だった。
「さっきの、音はなんなの?」
「ねえ、答えてよ杉原」
優人の部屋に優奈の声が空しく響き渡っていた……