輪廻恋愛



「あんたたちねえ!!」


どうやらこの女は、会話を聞いてたらしい。


そして少し怒り気味だ。


「ほんとに忘れたの?わ・た・しの名前。しょーがないな、ゆりよ。ゆり!」


「ゆり」と名乗る彼女は、自分の長い茶髪をなびかせた。


背は女の子の中でも少し小さく見える。


「っと言われてもな…なあ?」


訪問者に助け舟を出す。

だが、


「あぁ、佐野(さの)ね。いやぁ、久々に会ったもんだから忘れてたよ」


───こいつ、俺を見捨てたな。


だが、ここで優人も


「なんださのかよ。ゆりって言うから分からなかっただけだ」



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