輪廻恋愛
今から入学式だろうと思ったのだろうか、ぞろぞろと教室から生徒が出て行く。
「翔、俺らも行くか」
福田が後ろから肩をたたく。
優人がうなづいて、外に出ると
「私達もいこっか」
と、ゆりが他の三人を誘う。
まだ会って数時間しか経っていないが、ゆりには人と仲良くなりやすい性格だと優人は思う。
普通の人間ならば、最初の一日なんて様子見をするものだと思っていた。
現に、優人はそうしてきたからである。
だが、ゆりは違った。
積極的に人と話してどんどん友達を作っていく。
優人は何か、ゆりに惹かれる感じがした。