輝く星の下で

注文したメニューが来て、それを無我夢中で食べる唯。


最後のデザートもペロリとたいらげた。

「そういえば、あんたの名前は?」

俺の存在を忘れたかのように聞く。

「俺は湊[ミナト]」

「あたし昨日、公園で寝たの。ホテル代くれない?」


このファミレスで
2000円弱も使わせたあげくホテル代を出せと…

どこまで図々しい奴だ。

こいつの頭には遠慮という言葉はないらしい。


まあ帰る家がないということには何らかの理由があるわけだから同情はするが、
俺だって金のやりくりに余裕があるわけじゃない。


「俺も1人暮らしでお金に余裕があるわけじゃないんだよ」

「ちぇっ。
お金持ちのおじさんに拾われるべきだった。」


俺の方に乗り出していた体をドスンと椅子の背もたれに倒した。


「ちょっと待て、飯を食わしてあげただけでも感謝しろよな。」

「ごちそーさま、ありがとーございますー。」

あきらかに気持ちがこもってないお礼に肩をがっくし落とした。


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