未完成なアタシと君と。
【プロローグ】
アタシは未完成人間。
アタシは作られた人間。
アタシは、好奇心によって作られたただの人形。

始まりはある若い人の好奇心。
彼は、アタシを作り出した。

目を覚まして、彼はアタシと話をした。

「完成された人間なんてつまらないよね?」

アタシはそこで生まれて初めて笑った。

彼の記憶をアタシは共有していて、
彼と違うのは性別と見た目と価値観と
別のところがあと少しだけになった。
そんな彼の考えてることは今となっては分からない。
そんな彼が吐いた「つまらない」は実に滑稽だった。

「見たこと、あるのですか?」

彼はそこでぐっと眉間にしわを寄せた。
アタシはそこを責める。

「知らないくせに」

アタシは、完成されたい。
自分にないものがあることが許せない。
きっとこの先生まれてしまった以上
見つけることになるのであろう「私にないもの」。
そして手の届かないこともあるのであろう。




それを嘆く





卑しい、アタシ。






アタシは



















未完成人間







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