未完成なアタシと君と。
>>>午前6時
私は、部屋に連れて行かれた。
部屋に連れて行かれたと言っても彼の一人暮らしの家にだ。
博士からマンションの一室を使わせてもらっているらしい。
「…広いですね」
「君が来てもいいように、広いところにしてるんだよ」
「……へ」
「こっち」
案内された部屋は一通り家具はそろっているが、なんというか、さみしい部屋。
未完成。
「荷物、おいとくといい…って言っても紙袋一つだったら大したもの入ってないか」
「……博士に渡された薬と…服が2着です」
そういうと、彼はそっか、と微笑み出ていく。
広いこの部屋を一人で使っていいと言われても。
とりあえず、紙袋に入っているたった2着の服を箪笥にしまう。
薬をドレッサーの中にしまう。
そして、博士の記憶の中にあった、やってみたいこと。
私は、
ベッドに身を投げ捨てた。