大嫌いです、たぶん本気で


「じゃーん」


そう言いながら、先輩は扉を開けた。

今の効果音は果たして必要だったのか、なんて不毛なツッコミは入れない。


「……何と言うか、普通、ですね」


黒い部屋に白が目立つ、全体的にモノクロなありきたりな感じ。


「どんな部屋を想像してたの…」


「てっきり自分のポスターとか飾ってあるのかと」


「何処のナルシスト?いや、自分のことは好きだけどね!」


「そうだと思いました」


自信満々に言い切った先輩。これがデフォだとは知っている。


「あ、でもさくらのポスターなら貼るよ」


「まず作りませんから」


「じゃあさ、俺作るから写真撮らせて?」


「寝言は寝ている時に言いなさい」




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